お医者さんが言っていることのすべてが正しいとは限りません

「意識が戻る可能性はほぼ無いでしょう」
「後遺症が残るでしょう」「目覚めることはないでしょう」
「麻痺が残るでしょう」「言語障害が残るでしょう」
「医師の言うことがどうも腑に落ちない――。」

これらは、LINEのメッセージ相談を始めてから
ほぼ毎日と言っていいほど頂くメッセージです。
しかも、脳卒中を発症した直後の医師から言われた内容なのです。

僕から言うと、あまりにも時期尚早と言いますか、今出ている症状というのは、必ずしもそのまま後遺症となるものではないし、脳の腫れがおさまってくれば状態は安定してくるだろうし、その後のリハビリによって改善させていくことは十分に可能なんです!

もちろん、中には要は今の状況がそのまま続く可能性もありますが、まだ今の段階で決めつけるのは本当に時期尚早だと思います。
だから医者のその言葉を真に受けて、諦めて欲しくないんです。

でも、これは医師の立場に立って考えてみれば、そうせざるを得ないと納得できるかと思います。

医者は、毎日望んでいなくても患者が運ばれてきます。
しかも脳卒中の場合は、外来の間に緊急オペが入ったりと、時間的余裕が少ない診療科になると思います。ですから、患者さんやそのご家族の疑問をきちんとひとつひとつ説明する時間的余裕が物理的にないと考えられます。

それに希望を持たせることを言ってしまうと、「あのとき治るといったじゃないか!」と、さらに面倒なことにもなりかねないので、そこまで重症でなかったとしても、良いことは言わずに、最悪のことだけを伝えることが多いと推測されます。

ですから、はっきり言って「気にするな!」です。

ちなみに、僕も脳幹出血を発症した際の、家族への説明は
「絶対に目覚めない」「絶対にベッドから起きれない」
「一生、植物人間になると思っていてください」
「ケースワーカーさんに施設を決めてください」
といった具合に、さんざんだったそうです。
たしかにお医者さんの言っていることは、おおよそ間違いではないと思います。なぜなら確率論で言っているからです。それに、患者の回復なんてそんなに興味ないと思います。

なぜなら、どんどんと新たに搬送されてくる患者の対応に追われているからです。とくに日本はこれまでにない超高齢化社会に突入しています。今後はますます医者の対応は手短に行われることでしょう。しかし、これが病院業界での日常なのです。

家族でもない赤の他人のことなんて、そこまで親身になってはくれません。子供・若い人に対しては多少なりとも情が入るので、まだ丁寧に対応してくれるかもしれませんが、成人や老人に対しては、そこまで構ってくれないでしょう。

僕の独断と偏見ではありますが、そんなものだと思います。あくまでも他人。仕事です。

そして、ほとんどの医者はサラリーマンです。早く帰って家族サービスをしたいと思うだろうし、自分の時間も取りたいと思うでしょう。ボランティアで海外派遣に行くような医者は極々まれな人たちです。接客業の仕事を経験すれば分かると思いますが、最初は丁寧にお客さんに対応しても、慣れてくると段々と接客に対する丁寧さ、思いやりといったものは削れていくのではないでしょうか?それと同じです。

ですから、どんなことを言われようがあまり気にしないことです。ましてや家族の方は、「ど~ん」と構えておいてください。家族が不安そうな顔をしていては、患者はもっと不安になってしまいます。たしかに、はじめての経験で本当に不安なことと思います。

急性期のときは、良いことを聞いたら希望をもって、悪いことは無視するぐらいでちょうど良いです。むしろ、お医者さんに一命をとりとめてもらったら、後の意識回復や機能回復は、患者と患者の家族の頑張りにバトンタッチです。

何度も言いますが、脳卒中の闘病生活は、患者と家族との二人三脚が基本です。